百合とお菓子と

パンナコッタ(@yuridake2018)の百合ブログです

2018-01-01から1年間の記事一覧

アニメ『やがて君になる』12話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』12話視聴。今回はアバンから強かった。起床し、外に出る侑さん。そこで侑さんが見つけたのは、朝日を浴びて神々しくも立つ燈子さんだ。そして、その瞬間カメラは侑さんの主観視点へと移行する。— パンナコッタ (@yuridake2018) 20…

アニメ『やがて君になる』11話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』11話視聴。合宿編前半といった趣のエピソードなので、後半に向けた助走としての役割がメインの一話だが、それはそれで本作の細やかな演出が活きたものだったと思う。— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月16日 Aパート、脚本…

アニメ『やがて君になる』10話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』10話視聴。前回に引き続き林宏樹氏のコンテ回。おそらくは決定的な心理の分岐点を経たのだろう侑さんが、燈子さんとの新しい、しかし外形上はこれまでと変わらない関係性を構築していく過程を見事にアニメーションへと翻案してみ…

【既読者向け記事】『その日、朱音は空を飛んだ』の仕掛けについて

『響け! ユーフォニアム』の武田綾乃先生が、またしても大傑作を世に放ってしまいました。タイトルは、『その日、朱音は空を飛んだ』。鳥のように翼を広げて空を飛ぶことに憧れる少女が努力を重ねて夢を実現する感動超大作……などではなく、学校で飛び降り自…

アニメ『やがて君になる』9話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』9話視聴。5話コンテの林宏樹氏の再登板回ということで、大変気合の入ったエピソードと相成った。このアニメ、気合入ってない回とかないでしょってツッコミはまあその通りで。要はいつも通りの超絶クオリティなのでいつも通り楽し…

アニメ『やがて君になる』8話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』8話視聴。アバンからいつもの「大まかな流れは原作に忠実に、演出はアニメ独自のものを」というスタンスが威力を発揮する。沙弥香さんにかけられた「沙弥香ちゃん?」という呼びかけ。この瞬間に原作では例の先輩の後ろ姿が描かれ…

アニメ『やがて君になる』7話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』7話視聴。原作勢アニメ勢を問わず阿鼻叫喚の嵐を巻き起こしたあおきえいコンテ回から一週間が経過しての最新話。あれの後でどんなもん投げてくるんだ? と期待に胸膨らませていたが、やはりと言うべきか、トロイカはその期待のはる…

アニメ『やがて君になる』6話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』6話視聴。トロイカのオタク達が待ちに待ったあおきえい氏のコンテ回だ。あおき氏と百合となると、自身の監督作『喰霊-零-』と各話コンテ担当の『ささめきこと』が有名だが、今回はその手腕がどのように振るわれるのか、おのずと注…

『citrus』感想 ~完結に寄せて~

※この記事では「読者」という表現を便宜上たびたび使用します スタート以来、2010年代の百合を常に最前線で引っ張り続けた『citrus』が遂に完結しました。僕としてもかなり入れ込んで読んだ作品なので、無事完結して嬉しいやら終わってしまって寂しいや…

アニメ『やがて君になる』5話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

アニメ『やがて君になる』5話視聴。トロイカ常連の(というかトロイカ以前のあおきえい作品常連の)林宏樹氏コンテ回。林氏と言えば、『レクリエイターズ』8話で静謐でありながらも激烈な問答を描ききったことが強く印象に残っているが、果たしてこの『や…

『RELEASE THE SPYCE 』4話感想まとめ

『RELEASE THE SPYCE』4話視聴。待ちに待った命×楓回。回想パートと現在パートを織り交ぜながら二人の関係性を描いていく王道の構成だった。ワンクールアニメということもあり、1CPにつき1話、多くて2話程度という制約があろうことを考えれば最善手と言…

アニメ『やがて君になる』4話感想まとめ 〜演出論のような何か〜

登校前、燈子さんが鏡を前に光(演じる自分)と影(本来の自分)を確認するのは原作準拠。とはいえ、ここで再提示される意味が2巻のラスト、ひいてはこのお話全体のキーであることを考えれば変えないでほしいポイントではあったので、そこについてはもう感…

『RELEASE THE SPYCE 』3話感想まとめ

『RELEASE THE SPYCE』3話視聴。2話で教え込まれたはずの「考えていることを悟らせない」を実践しきれなかった未熟なモモさんと、仲間の前でも誰もいない時でもそれをやりきった熟練の雪さん。そんな対比的な描かれ方がなされた回だった。— パンナコッタ (…

アニメ『やがて君になる』3話感想まとめ ~演出論のような何か~

アニメ『やがて君になる』3話視聴。開始数秒で今回のトロイカポイントが発生。鳥。鳥と言えば、トロイカのトップ陣の一人あおきえい氏の十八番で、トロイカができていない頃の『喰霊-霊-』でもトロイカのデビュー作『アルドノア・ゼロ』でも重要なメタファ…

『RELEASE THE SPYCE』2話感想まとめ

『RELEASE THE SPYCE 』2話視聴。一見して前向きで明るい訓練回だが、その実なかなかにスパイの世界の厳しさを物語る回でもあった。もちろん外形的な訓練の大変さとかでなく、スパイとなることでそれまでの自分のままではいられなくなるというモモさんの根…

アニメ『やがて君になる』2話及びOP感想まとめ ~演出論のような何か~

アニメ『やがて君になる』2話視聴。最初に目をひいたのはバレーの授業風景。原作では、沙弥香さんが燈子さんから合った目を逸らす芝居は一度だけ。一方、アニメでは会話が始まる直前にもその芝居が挟まれ、それに気付いた燈子さんが沙弥香さんに話しかけに…

『RELEASE THE SPYCE』1話感想まとめ

『RELEASE THE SPYCE』1話視聴。冒頭数秒、空中での複雑な軌道のカメラワークによって活劇におけるスパイの旨味=軽快性と隠密性がもたらす楽しさを存分にアピールすることに成功した時点で、本作の立ち位置は一つ二つ上の段階へ昇華されたのではないだろう…

アニメ『やがて君になる』1話感想まとめ ~演出論のような何か~

アニメ『やがて君になる』1話視聴。アニメ独自の演出で目立ったものを順に挙げるとこう。①生徒会室に向かう侑さんの主観視点②先輩の自己紹介時に舞う木の葉③侑さんと友人達の(心理上の)距離を示す描写における「流される」動き④したい相談を隠して他の話…

【感想】9月のツイートまとめ

『Distortion 』(みもと先生)読了。自分を傷つけて喜ぶ彼女が弱さを見せた瞬間嬉々として立場逆転を図る女の子! 彼女を傷つけるのは彼女に求められたかったからだけど拒否されたらすぐ取り乱しちゃう女の子! 超闇の深い女の子二人を描いた最高の百合だっ…

『やが君』と『とど糸』に見る告白シーンの可能性

『やがて君になる』6巻が発売され、「人の姿を留められなくなった」百合のオタクが続出した今日この頃。重度の『やが君』ファンな僕も当然その例外でいることはできず……。 いや凄かったですね、『やが君』6巻。圧巻の生徒会劇に始まり、見ているこちらまで胸…

アニメ『やがて君になる』の前に見ておくと良いかもしれないアニメ

アニメ『やがて君になる』放送開始まであと少し。先行上映に至っては明日ですね。僕は所用あって先行上映に参加できないのですが、参加される方はぜひ楽しんできてください。超羨ましい……。 それはそれとして。後世に語り継がれるだろうことが現時点で確定し…

8月の読了ツイートまとめ

『君だけが光』 『君だけが光』(シギサワカヤ先生) 読了。好対照な始まりと終わりを持つ二つの物語が、重厚な作画と心理描写という共通点によって結び付けられ、一冊の「本」となった。その力強さに圧倒され、ファンにさせられました。下半期ベスト候補筆頭…

何を見せ、何を見せないのか ―『私は君を泣かせたい』感想―

祝・『私は君を泣かせたい』完結 というわけで、『私は君を泣かせたい』が3巻をもって完結したので、感想というか、色々考えたことをまったり書いていきます。いまさら? もう3巻出て一月くらいたつよ? という突っ込みは気にしない。気にしない……。 端的に…

『カタハネ(クロハネ編)』と『喰霊-零-』の意義 ―選べなかった悲劇/選んだ悲劇―

※本記事は『カタハネ』と『喰霊-零-』についてのネタバレを含みます はじめに 互いを想い合う二人の内、一方がもう一方の命を奪うことでしか結末を迎えることができない百合。一口に百合と言ってもその内容は様々ですが、これほど悲劇性に富んだものもそうな…

百合漫画総選挙に投票した5作品

去る8/9百合ナビさん主催の百合漫画総選挙で1位~30位の作品が出揃いました。ランクインした作品はどれも素晴らしい作品で、僕にとってのオールタイムベスト級も少なくありません。とはいえ「今年かつ総選挙投票期限までに単行本最終巻が発売された作品…

2018年上半期に1巻が出た面白い百合漫画

2018年上半期が終わりましたが、個人的に気に入った商業新作はこんな感じです。 ライター×ライター ライター×ライター (1) (まんがタイムKR フォワードコミックス) 作者: 原作:深見真,作画:コト 出版社/メーカー: 芳文社 発売日: 2018/06/12 メディア: コミ…

ひらり、コミックスの名作をおすすめしていくシリーズ①『ほんとのかのじょ』

今、百合界隈で一、二を争う話題作はアニメ『あさがおと加瀬さん。』でしょう。スクリーンから溢れんばかりの尊みが、原作ファンだけでなく原作未読の新規層をも虜にしています。そんなアニメ『あさがおと加瀬さん。』の原作コミックス、加瀬さんシリーズが…

同人誌発商業百合マンガ5選

同人誌として世に出た後に商業作品としても発売された作品の中からこれぞと思う作品を5作選んでみました。 トゥルー・トゥルー トゥルー・トゥルー (百合姫コミックス) 作者: 百乃モト 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2014/06/20 メディア: Kindle版 この…

自己紹介です

はじめまして。パンナコッタと申します。 ツイッターで百合専用アカウント作ったし、ブログも一緒に始めてみるかな~という軽い気分で開設しました。 作品ごとの感想、テーマを絞った上での作品紹介、百合というジャンル全体への言及などなど、百合のことな…