【感想】9月のツイートまとめ
『Distortion 』(みもと先生)読了。自分を傷つけて喜ぶ彼女が弱さを見せた瞬間嬉々として立場逆転を図る女の子! 彼女を傷つけるのは彼女に求められたかったからだけど拒否されたらすぐ取り乱しちゃう女の子! 超闇の深い女の子二人を描いた最高の百合だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月6日
「必死に求めないと彼女が離れてしまいそうで不安で押しつぶされそうだった」とモノローグで語っていた気弱な女の子がわずか数ページで「許してあげるから今度からはあなたから好きだと言って?」って悪役顔で彼女に言い放つようになるの控えめに言っても尊さの塊でしょ最高。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月6日
数ページ→数十ページ
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月6日
そんでもってすっかり弱気になってしまった元は強権的な女の子はすぐ「好きです。あなたのことが好きです」って返すんだもんなあ。その前段で「お願いみすてないで。私には咲しかいないの」って縋っちゃってるから当然の成り行きなんだけど。何度も言うけど、最高。
力関係逆転百合といえば、shimazaki先生『シスタス』がオールタイムベスト級の傑作だが、この『Distortion 』も負けず劣らずの完成度だ。この手の百合は、最終的に出来上がった関係性の強固さを如何に表現するかにかかってると思うけど、その点本作はあまりに強すぎる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月6日
咲さんは一度知ってしまった傷ついた彼女の可愛さをもはや手放せないし、亜美さんはしくじったら見捨てられるという恐怖からはもう逃れられないので、二人のあの関係はよほどのことがない限りはヒビすら入らなさそう。そう感じさせる描写の積み重ねがあった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月6日
『とどのつまりの有頂天』1巻(あらた伊里先生)読了。レジェンドの一角たる『総合タワーリシチ』あらた伊里先生の新作。それだけにハイテンションな面白さが目立つが、だからこそ静けさに比重を置いた場面も非常によく映える。おそらく人気も出るんだろう期待作だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月11日
群像劇としても非常によくできていて、「未完成でまだまだこれからのペア」「すでに付き合っていてラブいペア」「友情寄りのおもしろペア」とバランス良く人間関係を提示してる……と書いた所で思ったのが、これ『桜Trick』との共通点だなということ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月11日
『桜Trick』のパクりだ! ということでは当然なく、あくまで偶然の類似点として面白いなという話。物語のパターンっていうのは無限ではないから、表層が多少被る程度は日常茶飯事だ。大事なのはそこからどうオリジナリティあるものを描いてくれるかということ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月11日
『繭、纏う』1巻(原百合子先生)読了。今時なかなかお目にかかれないほどストレートな古典的お嬢様女学園が舞台のお話。抑制的な語りと迫力ある絵が喧嘩することなく、むしろ互いが互いの魅力を引き立てる圧巻のスタートかと。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月12日
『太陽がわらってる』(じゃむ先生)読了。最大の拠り所であった役目があっさりと終わりを迎える残酷さが、短くも濃密な追憶によって語られていた。短編として重要な情報の圧縮、そのお手本のような作品。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
『百合乙女至上主義』(一ノらい先生)読了。中学時代のトラウマが尾を引いて一歩たりとも踏み出せない女の子が主人公。その想い人もそんなトラウマを知っているからか、なんとなく察していても煮え切らない態度になってしまうお互い様なお話なのがよいね。ここからどう転回していくんだろう。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
『紗奈と幸せの夏』(沼地どろまる先生)読了。題名が内容をあまりにも的確に表現している作品だ。言うまでもなくあんな状況を永遠に続けられるわけもなく、まさに期間限定の「幸せ」。リミットがいつかは定かでないが、次の夏には失われているだろう時間だからこそ「紗奈」は「ちくしょう」と嘆く。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
そんな期間限定の「幸せ」ですら、真に自分のモノとは言えないことも含めての「ちくしょう」なんだろう。本編通して一番好きな場面だった。可能なら、この先に二人共がより良い状況に向かって行けることを望みます。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
『名もなき死体の私とあなた』完全版(桜家ゆきの先生)読了。色々と抱えた有名子役が、売れない女優のお姉さんとの関わりを通して本音を見つけていく。そんな筋と同時進行、かつ不可分な形で百合が形成されていくのでお話の運びに一切の無駄がない。良い作品だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
『ユリセカイ』(市町村先生)読了。「間に挟まりたいぜ!」「男の気持ち良さを教えてやる!」「非生産的!」と叫んだ近衛兵一同が秒で凄惨な死を遂げたの爆笑するしかないでしょ! いやー面白かった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月13日
『青い春を数えて』(武田綾乃先生)読了。みんな色々あるよね! というのはごく個人的に非常に好きなテーマなのですが、それが「少女のグズグズとしたどうしようもない感情」と「要素としての百合」によって描かれているとなれば、これはもう絶賛せざるを得ない。今年ベスト級に好きな小説だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月17日
百合とは言いにくい作品も一つ混ざっている連作短編集なので、このアカウントで取り上げるか迷った。けれども、やっぱりこの作品を好きになった大きな要因のひとつは百合としての側面なのは間違いない、であるならこのアカウントで感想の一つや二つくらいはあげたいと結論した。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月17日
特に好きな一節は『漠然と五体』の「路線図に書かれた順番通りに、電車が駅のホームを過ぎていく」。それをきちんと確認している細谷さんとそんなことは知ったことかと言わんばかりに眠り続ける清水さんとの対比が、二人がこれから歩まんとする別々の道になぞらえられている。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月17日
『ゆりこん』1巻(久川はる先生)読了。女性同士の結婚が普通になった社会が舞台。その世界観を示す上でオムニバス形式を採用したのは最適解だと思うし、個々のエピソードの中でも細かに描写が重ねられていくので読み進めるにつれてリアリティが増していく。この傑作がまだ続くことに感謝。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月18日
オムニバス形式は「推しカプがなかなか登場しない」という構造的な弱点(それが強みにも繋がるのだが)をどうしても抱えざるを得ないので、商業面でのハンドリングが難しいかと思うけど、『あのキス』人気を見ても分かるように百合界隈にはそういうのを楽しむ土壌はあるのでなんとか成功してほしい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月18日
完結『しおりを探すページたち』2巻(くもすずめ先生)読了。全2巻なのでメイン二人に絞る手だってあったはずなのに、梨果子さんと八尋先生も交えた群像劇寄りのお話を展開し、その上で最後までバランスを保ち続けた名作だった。今年完結した作品の中でもトップレベルの完成度。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月19日
『吸血鬼ちゃん×後輩ちゃん』3巻(嵩乃朔先生)読了。今に始まったことではないけれど、この作品、ここ一番で見せる背景の美麗さにかけては百合漫画の極地と言っても良いのではないだろうか。プロポーズを彩るのにあれ以上は望むべくもない。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月24日
「かけては」と言うとまるでそれ以外は普通みたいな感じになってしまうが、もちろんそんなわけもなく。人物の書き込みやカメラの置き方が全編通して綺麗で迫力満点である他、伏線を回収するタイミングに秀でたストーリーテリングも大変素晴らしい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月24日
ごく個人的に気に入っている伏線回収は3巻クライマックスにおける紫苑さんの件。2巻で示された伏線(先輩が寝てる時のあれ)が特に一波乱呼ぶことなくさらっと回収されるんですけど、僕はああいうのに趣を感じるタイプでして。作品を支える縁の下の力持ちだと思ってます。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月24日
『あの娘にキスと白百合を』9巻(缶乃先生)読了。始終重苦しい雰囲気の新規組と、下がったり上がったりと忙しい古参組と。そうした対比的な描き方が、特別と普通というテーマを高い次元へと昇華した傑作巻だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月25日
いやもうこの二つのエピソードが同一巻内に収録されたのはあまりに確信犯的で。テーマが共通しているのみならず、テンションは違えどやってること自体も全く同じ。再演。例えば中盤でうまく言葉を交わせなかった場所(駅と屋上)で終盤に無事事が丸く収まりきるとかね。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月25日
『やがて君になる』6巻(仲谷鳰先生)読了。場所、構図、過程、そして結果。至る所に散りばめられた再演と対比が、過去と今との違いをつぶさに、明確に物語る。クスノキ氏の「人の姿をとどめていらっしゃいますでしょうか」は誇張表現ではなかったのだと理解した。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月29日
『やがて君になる』において、線路とそれを走る電車は「その者が歩む道」のメタファーとして幾度も機能しているが、当然今回も登場。七海燈子さんは「私のものだったらいい」と感じた線路に沿って一人で走りはじめ、だからこそそれを見送る小糸侑さんは「今の先輩になら」と考えた。そういう場面かと。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月29日
『となりの吸血鬼さん』5巻(甘党先生)読了。こちらもアニメ化を控えての新刊。そのタイミングに合わせての発売だからか、なにやら『吸血鬼さん』単体ではページ数が少ない気がするけど、それでも満足感を得られるのはさすがの貫禄です。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月29日
『籠の少女は恋をする』2巻(川浪いずみ先生)読了。1巻の段階では「なんだかよく分かんないな」と評価保留だった本作。2巻まで読んでようやく最高of最高の作品と認識できるようになった。これは1巻も読み直さないと。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月29日
『サジちゃんの病み日記』1巻(アサギユメ先生)読了。爆笑必至の止み百合の間にちょいちょい良い感じの百合も入れてくセンス、嫌いじゃない。次巻ではまたちょっと(?)おかしい新キャラが登場するっぽいが、どんな方向性なのか気になる所。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年9月29日