『RELEASE THE SPYCE』2話感想まとめ
『RELEASE THE SPYCE 』2話視聴。一見して前向きで明るい訓練回だが、その実なかなかにスパイの世界の厳しさを物語る回でもあった。もちろん外形的な訓練の大変さとかでなく、スパイとなることでそれまでの自分のままではいられなくなるというモモさんの根幹に関わる部分についての話。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
2話でたびたび見られた「モモさんが飲食物を貰う」光景。商店街の店員さんとのやりとりを見るに、これはおそらくモモさんにとって日常的な営みで、「もらったものに何か混ざってるかも」なんてことは露程も思ってこなかったのだろう。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
ところが今回、スパイとしての訓練の中でモモさんは「誰に貰う飲食物であれ異物の混入を疑う」という習慣を身につけることになる。それは一般人として生活してきたからこそ成り立っていたモモさんの純粋さを剥ぎ取るに等しい。ここで一歩、モモさんは元の自分から離れることになる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
そしてダメ押しとばかりに「思っていることを相手に悟られない」ことも教えられる。それを成すのは、時にポーカーフェイスだったり時に作られた表情だったりする。いずれにしても、モモさんは善意の知人達に「疑っていることを隠す」という二重の不誠実を働かざるをえなくなった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
この作品がしっかりしてるのは、そんなモモさんが「異物混入を疑っていて」「なおかつそのことを隠している」と視聴者に直に教えずに食べ物を貰うシークエンスを見せること。先輩や商店街の店員さんとのやりのなかで、モモさんはそんな様子微塵も見せなかったですよね。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
これは「飲食物への異物の混入を疑う」という描写をスタッフが間抜けにも忘れていた……わけもなく、「思っていることを悟らせない」という描写とセットになった結果であり、また「見ている側もモモさんに騙される」という視聴者をその世界の住人と同化させる効果を狙ったものではないかと思う。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
当然、視聴者の側はそうした訓練をモモさんが受けていることを知っているので全員が全員ひっかかるわけではなかろうが、訓練の内容は多岐に渡るため、その一瞬に関しては「これ実は疑ってるよね」と思わずスルーする視聴者も少なくないのではなかろうか。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
というか、あまりにもしれっと食事シーンを入れてくるので僕が一瞬スルーしかけたことをここで白状しておく。そうなったのが僕だけでないって信じてる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
「他者を疑うことを知らないモモさんが知人であれ常に他者をうたがうようになる」。この観点からいけば、学校の屋上で楓さんに盛大に騙されたくだりにも大きな意味が見えてくる。あんな分かりきった嘘にも騙されるような子が、わずか数カ月で常に誰かを疑う習慣を身に着けた意味は大きい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日
そんな感じで、表層の明るさとは対照的な厳しい一面も垣間見えた回だった。今後も2話同様明るさの裏にある厳しさを見せる構成が続くのか、あるいは徐々に裏の顔が表に出て来るのか。注目していきたい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月15日