アニメ『やがて君になる』10話感想まとめ 〜演出論のような何か〜
アニメ『やがて君になる』10話視聴。前回に引き続き林宏樹氏のコンテ回。おそらくは決定的な心理の分岐点を経たのだろう侑さんが、燈子さんとの新しい、しかし外形上はこれまでと変わらない関係性を構築していく過程を見事にアニメーションへと翻案してみせていたと思う。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
アバンで言いたいことはあまりないので、すっ飛ばしてA パートに入っても良いのだけど、とりあえずは一点だけ。サンドイッチをはむはむしながら喋る吉田愛果さんマジ可愛かったですね……。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
それはそれとして、Aパート。侑さんとこよみさんの脚本の引っ張り合い。漫画だと「プルプル」の擬音で表現されたその攻防だが、アニメで動きがつくだけでこれだけ映えるものに。メディアが違えば長所もまた違うことを示す好例だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
無限に可愛いこよみさんから脚本をかっさらった侑さんは、そのコピーを手に燈子さんを見つける。この場面、原作では普通に廊下を舞台としているが、アニメでは校舎と校舎を繋ぐ連絡橋へと大胆に変更された。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
侑さんの心理は変わっているのに二人の関係性は外形的に変わらないことを描く。それが10話の役割だ。その表現として、二人でいる時は連絡橋の「中央」で立ち話をし、話し終えると侑さんが一人で「向こう側」に走り去るという流れはあまりに適切すぎるというか、これ考えた人天才か? と驚愕する。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
帰宅し、脚本を読み込む侑さんと燈子さん。挿入された劇のイメージ映像において、「主人公」を中心にカメラはくるくる回る。流転する人物像、それにより生じる目が回るような混乱。その様は、後に燈子さん自身へと重なっていく。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
その予兆が描かれたのが、この10話。脚本を読む燈子さんの背後に位置する鏡に、燈子さんの姿が映り込む。背後に位置する鏡なので当然だが、そこに特定の「顔」はなく、ひたすらに「お姉ちゃん」そっくりな後ろ姿だけがある。まさに「誰かにならなければ、私には何もないのに」だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
翌日、生徒会会議。恋人役に動揺する沙弥香さんの顔、燈子さんに向けられるお伺い、そして何かを察したかのような槙くんの動き。槙くんw
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
会議が終わり、侑さんと燈子さんはミスドモドキへ。二人が座ったのは、窓際の横並び席。窓と言えば、これまで境界線として多用されてきたおなじみのアイテムだが、今回は何やら様子が異なる。二人が同じ枠内にいる……????
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
とまあこれは当然で。先にも触れた通り侑さんはこの時点で「向こう側」にいるから、「好きを知った者」同士、同じ枠内にいるというだけの話。秀逸(かつえげつない)なのは、カメラと二人の間に挟まれた柵だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
二人は同じ枠組みにいるはずなのに、未だ柵の内側=以前の関係性に囚われたまま。変わった実態/変わらない外形という構図を示した至高のカットだ(えげつねえ……)。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
場面は変わって七海家へ。夕食のシークエンスは原作通りの流れだが、声の芝居がつくことで和やかムードから一転した燈子さんの苛立ちよく分かるように。いやかなり怖かったですよね、「何が?」の声。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日
10話に関して言いたいことは主にこんな感じ。良かった所は他にもあるけど、ちょっと言語化しにくい感覚的な部分なので、後で良い感じの言い回しが見つかれば追記することにします。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年12月8日