8月の読了ツイートまとめ
『君だけが光』
『君だけが光』(シギサワカヤ先生) 読了。好対照な始まりと終わりを持つ二つの物語が、重厚な作画と心理描写という共通点によって結び付けられ、一冊の「本」となった。その力強さに圧倒され、ファンにさせられました。下半期ベスト候補筆頭だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月2日
『夜と海』
『夜と海』1巻 (郷本先生) 読了。ノリの悪さに定評のある高嶺の花たる女の子が、いつも誰かといるようで思ったことをノータイムで口にするため実は人付き合いが苦手な女の子に興味を持った所から始まる物語。粗筋自体に新規性は薄いが、海中の景色で心象を可視化する表現が独特。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月9日
いやあこれは凄い。今年の新作長編は『三日月のカルテ』がダントツで好きかな思っていた(『熱帯魚は雪に焦がれる』はギリギリ去年)だけに、これは嬉しい誤算。双璧をなす、という言葉がこれほどしっくりくる機会は中々ない。生きる希望がまた一つ増えました。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月9日
『ひなたすたでい。』
『ひなたすたでい。』1巻 2巻 (むく先生) 読了。『今日も女の子を』を読んでこちらも手に取ろうと思い続けて早数ヶ月、ようやく重い腰を上げることができた。子供にしか見えない容姿がひなたさんの母性を逆説的に強化していて、みらいさんの矢印が一直線に向かったことにも納得するしかない。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月9日
『放課後』
『放課後』2巻(原作:大島永遠先生 作画:大島智先生)読了。今最注目の百合同人誌シリーズ、その新刊。「1」が短編として見ると非常に優れていた作品だっただけに長編になると聞いて不安だったが、いや不要な心配だった。完敗です。素晴らしい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月17日
「2」、冒頭から強い。カメラを少し引いた位置に配置して「第三者がいる世界」を見せた直後にカメラを一気に寄せ、密会の合図=後ろ手の接触=「二人だけの世界」を強調する対比構造。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月17日
『放課後-キスの種類-』(原作:大島永遠先生 作画:大島智先生)読了。このシリーズを最強たらしめる重大要素のキスシーンに純粋特化したまさに番外編故の傑作だった。このシリーズの誕生について僕は何に感謝したら良いのだろう。神か仏か、やはり作者のお二人か。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
一コマ一コマが恰好良いし可愛いしエロいし、なんなんだこのシリーズは。新しい本を読むごとに思い入れが強くなっていく。次が出るらしい秋が待ち遠しい。いや待てない。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『女子更衣室』
『女子更衣室』(原作:大島永遠先生 作画:大島智先生)読了。またこのお二人が優勝作品を放ってしまった。『放課後』よりもシリアス寄りで、けれど今の所は暗すぎるわけでもない塩梅となっている。そして何より重要なことに、これもシリーズものらしい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『フィダンツァートのためいき』
『フィダンツァートのためいき』完全版(田中琳先生)読了。デカい!重い!多い!濃い!ありとあらゆる面でぶっ飛んだ作品集だ。何も知らなければぱっと見複数作家によるアンソロジーにしか見えないが、実際にはこれが田中琳という一人の天才の手によるものだということに戦慄させられる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月20日
とりわけ好きな作品は『さくらさくら』と『Sweetheart』。ストレートなピュア百合を求めるなら前者で、闇深系に見えて実はピュア百合というのを求めるなら後者といった感じ。『Sweetheart』はピュア百合か?と訊かれたら、僕は自信をもって「ピュア百合だ!」と答えます。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月20日
『真夏の純情』『真夏のケダモノ』
『真夏の純情』『真夏のケダモノ』(寄田みゆき先生)読了。ひとつのシチュエーションを異なる視点から描いた作品。主観が漫画でしかできない技法で表現され尽くしていて、寄田先生の貫禄を感じた。続編の可能性が示唆されているので、楽しみに待っていよう。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月20日
『schadenliebe』
『schadenliebe』(ぴりぷん先生)読了。自分をいじってくる校内カースト上位の女の子が事故にあい、右腕と右目の視力を喪失。そのことを悼むと同時に喜びも感じる主人公は、見舞いでその子と話す内に元々複雑だったそんな感情をさらに複雑なものにしていく。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
そんな感じのお話だったわけですが、圧倒的な力を持った作品でしたね。1ページ読むごとに捻じ伏せられるような感覚を味わいました。鬼気迫る後半の勢いは特に凄い。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『熱帯魚は雪に焦がれる』(『私は君を泣かせたい』への言及も含む』)
『熱帯魚は雪に焦がれる』3巻(萩埜まこと先生)読了。決定的なまでにギスギスするということはない一方で、むしろそうだからこそ互いに不器用な接し方を繰り返してしまう二人の有り様が、この作品の繊維な空気感を生み出しているんだろう。そう確信させてくれる一冊だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
ある女の子の「実は」を偶然知る。こういうシチュエーションは百合の定番ではあるけれど、その点でこの『熱帯魚は雪に焦がれる』とつい最近完結したばかりの『私は君を泣かせたい』を比較してみると両作をより楽しめるようになるかと。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
つまり、前者は「実は」を第三者に対して躊躇なく開示していくのに対して、後者は「第三者もそれを知ったら」と主人公がモヤモヤする点で同一シチュエーションで異なる内実を持っていると言える面白さを見出だせるんですよね。僕はこういうのが大好きでして。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『お金で買う××はシンジツですか?』
『お金で買う✕✕はシンジツですか?』(タチ先生)読了。前作と比べて一段ほどトーンを下げてきた感じ。それだけにタイトル=テーマのより根本的な部分に踏み込むことに成功していて、これはもう完結のあかつきには大変な傑作になるんだろうと否が応でも期待させられる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『オジョウサマノオアソビ』
『オジョウサマノオアソビ』(野中友先生)読了。主従百合。あとがきで野中先生はR18に振り切れなかったことを悔やまれているが、ごく個人的には「見せない」からこそのエロさみたいなのを強烈に感じたので、これで良かったのではと思う。夏コミ本の中でもトップクラスで好きな作品だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月25日
『小悪魔のリドル』
『小悪魔のリドル』1号室編(南方純先生)読了。名作『悪魔のリドル』本編の「色々とあった直後」を描いたお話。直後なだけあって本編の内容ともがっちり結びついた内容になっているので、リドルを本編だけで終わらせておきたいというのでない限り読んで損はないかと。良い百合だった。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月26日
『悪魔のリドル』を読み始めたきっかけ、確かアニメ化の前だか後だかに深見真先生が話題にしているのを見かけて、実際に1巻を買ってみたら超面白かったという流れだった気がする。それ以来大ファンなので、『小悪魔』はもちろん画集も買いましたよ、ええ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月26日
『ストロベリー・フィールズをもう一度』(『たとえとどかぬ糸だとしても』への言及も含む)
『ストロベリー・フィールズをもう一度』2巻(木野咲カズラ先生)読了。過ぎるほどに丁寧な心理描写を重ねた上で、ラストに強烈なクリフハンガーを持ってくる構成。このあまりの巧妙さってどうなのよ。続刊としては、『とど糸』3巻と並んで今年トップクラスの技量だ。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月28日
恋か依存か、という筋を丁寧に盛り上げて盛り上げて、そうしてそれがついに結実すると思わせた瞬間に、同時進行で進めていた別筋を一気に引っ張り出してくる。「読者を誘導する」ってこういうことよね。まんまとやられてしまいました。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月28日
ここでわざわざ「とど糸」3巻を持ち出したのは、こちらも「読者を誘導する」という点で非常に優れた一冊だったから。終盤、ウタさんと薫瑠さんは旅行先では何事もなかったかのように振る舞う。結果として例のシーンに関してこちらは「何も……なかったのか?」と訝しむことになるのだが、
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月28日
この「訝しみ」のシークエンスへの誘導が、「ウタさんの秘密が知られた」という筋書きを緩急のついたクリフハンガーに仕立てる上での重要なパーツとなっている。例のシーンの直後からラストのあれをやったんじゃあまりに単調すぎて、クリフハンガーとしては弱い。だからこその誘導といえる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月28日
『魔女が下す鉄槌 マレウス・マレフィカルム』
『魔女が下す鉄槌 マレウス・マレフィカルム』(みやまるん先生)読了。ヤンデレにトンデモパワーを与えたらこうなるんやなあ……とある意味でしみじみしながら読んだ。こういうの、待ってました。ここで終わるのはもったいないので、続きをぜひ書いてほしい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年8月28日