アニメ『やがて君になる』4話感想まとめ 〜演出論のような何か〜
登校前、燈子さんが鏡を前に光(演じる自分)と影(本来の自分)を確認するのは原作準拠。とはいえ、ここで再提示される意味が2巻のラスト、ひいてはこのお話全体のキーであることを考えれば変えないでほしいポイントではあったので、そこについてはもう感謝の念しかない。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
ごく個人的に、前述のポイント以上に拾ってほしかった所もきっちりやってくれた。Aパート冒頭、電車で学校へ向かう燈子さんは周囲から見れば何もかもが完璧なスーパー優等生だが、内には脆い自分も抱えてる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
その表現として、燈子さん本人と扉にうつる鏡像を見せるのは非常にオーソドックスだがそれだけに効果的なものと思う。もしかしたら削られるかもと不安だっただけに、ちょっと一安心。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
そこからさらに燈子さん(と沙弥香さん)のターンが続いた後、回想以外でようやく侑さんが初登場する。侑さん・こよみさん・灯里さんの微笑ましい日常のご様子だ。ここは流れ自体原作通りだが、細かい所で独自の芝居がついた傑作シーンかと。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
原作において、板書を消して良いか聞いてきた灯里さんに対するこよみさんの応答は以下の通り。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
「あっいいよごめん。黒板見てなかった」
最初はともかく後は全く淀みない。
一方、アニメ版でのこよみさんはこう。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
「あっえっあっいいよ……ってごめん! 黒板見てなかった!」
だいぶあたふたしてますねw
〇〇(伏せ字にしときます)を書くことに集中していたため、恐らく「いいよ……」まではまだ半分心ここにあらずの状態だったんだろうなと。で、ふと完全に我に返って「ってごめん!」に至る。正直めっちゃ可愛かった。侑さんに「何書いてたの?」と聞かれたときのリアクションも含めて。
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続く生徒会のお仕事風景。生徒会劇の説明から資料整理まで。前者は前者で良かったが、僕としては後者のオリジナルパートの方に目が行った。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
原作において、資料整理のパートは侑さんの「なんで七年前で途絶えちゃったんだろう?」で終了するのに対して、アニメではもうワンクッションが加えられた。過去の生徒会劇台本を侑さんから取り上げ、「仕事中だよ」と燈子さんが注意する。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
もちろんその注意が燈子さんの本命だったわけもなく、実際に燈子さんがやりたかったのは台本にのった「七海澪」の名前を侑さんから隠すこと。取り上げてタイトルを確認するまでは、それが姉の題の台本かどうか確認できなかっただろうが、念には念を入れるのが定石でしょう。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
訂)題→代
で、取り上げた後のカメラの位置と燈子さんの芝居がまた良い。台本で隠された燈子さんの表情はいかなるものだったのか想像が膨らむし、なにより直後にしれっと顔を出した時の燈子さんの演技してる感が小憎たらしい最高。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
そして遂に今回の目玉of 目玉、例のキスシーン。ここはもうあまりにも圧巻すぎたので、何を言っても野暮な感想にしかならない気もするが、それでも何かしら感想出さないと後悔するだろうと思うし、なんとか言語化していきたい。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
この流れでの最重要ポイントは恐らく「変わった七海燈子」と「変わりたいのに変われない小糸侑」という対比構造だろうが、これまで境界線を意識した映像を提示しつづけた本作、やはりここでも境界線=窓枠投入してきた。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
ここで徹底的なのは、一連の流れの始まりで足元を映すことで同時に窓枠が作り出す影の境界線も見せつけている所。下から上まで境界線にスキはないんだぞという強烈な意味を感じる(それを燈子さんだけはしれっと超えるので恐ろしい)。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
そういう意味の積み重ねを成したシーンとしても素晴らしかったが、そこを置いても光の当て方、間のとり方で、劇伴の選択など、あらゆる面でトロイカの技術力の高さを証明していた。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日
そしてBパート、牧君関連のあれこれ。ここで僕が気に入っているのは沙弥香さんとのやりとりで。原作では並んでファイルを棚に戻しているんですけど、アニメでは背中を向け合って別々の棚で作業をしているんですよね。特別仲が良くも悪くもない距離感がよく出てる。
— パンナコッタ (@yuridake2018) 2018年10月28日